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ホーム >> 石の本の紹介 >> 晴彫雨読 No.41-60 >> No.47 石仏巡り入門
晴彫雨読No.53 インカを歩く

 インカの遺跡は以前にもご紹介したが、今回はインカに魅入られ29年も通い続けアンデスを撮り続けてきた写真家の高野氏の一冊である。
 個人的にも、観光客があふれ俗化したイメージを持つエジプトの石の遺跡群より、神秘さを色濃くのこすアンデスに惹かれている。私自身そこには訪れたことがなく、確かなことはいえないが、石の遺跡だけが遺っているのではなく、そこに住み続けるインディオの人々の暮らしの中に自然崇拝の謙虚さを見ることができ、遺跡を囲む大自然が広がっているように思えるのだ。たぶん、高野氏が出している数冊の写真集からの影響が多いのかもしれないが、他のインカを紹介した数々の出版物から受ける印象も同様である。
 新書版なので、写真の取り扱いは小さく、写真から受けるインパクトは高野氏の他の写真集よりも少ないが、本書で綴られている紀行文は、インカの魅力にとりつかれ、現地で脈々と受け継がれているインカ文明についての深い思索のあとがうかがわれる。あとがきのさわりをご紹介しよう。
 「インカはなぜ、ここまで石を追い求めてきたのか。きっと、石に対して不動不変のエネルギーを感じ、その力を自分たちの力として受け入れようとしていたとも思える。石自体がすべてを支える守り神的な存在だったのかもしれない」「インカはわずかなスペイン人征服者によって滅ぼされた。だが、石造りの遺跡の数々は残り、たくさんの人々の想像力を刺激し、謎や未知の多い数百年前の世界へと誘ってくれる。そして一人一人の気持ちの中に生き続けようとする。そのことがなによりもインカの残した大きな遺産ではないか」・・・。 石を扱う一人として、身震いのする言葉である。
 本書はインカの代表的な遺跡、マチュピチュやビルカバンバなどの石の遺跡写真の他に、断崖に築かれた空中墳墓と名付けられた現地のお墓や、現地の山々などの大自然風景、そしてそこにすむ人々の儀式や暮らしぶりを印象的な映像でダイジェスト的に紹介してある。高野氏は他にも多数のすばらしい写真集を出版されているので、興味を持たれた方は是非、目にしていただきたい。
 「神が宿る石」。昔からそんな言い方をされてきた石であるが、現代のわれわれが「仕事」としてやっていることは何なのだろう。そんなことをふと思わされた一冊である。
 

本のデータ
書籍名/インカを歩く(2001年)
著 者/高野 潤 
  体 裁/新書版 176ページ
価 格/1000円
発行所/岩波新書 TEL03-5210-4111



 石の本リスト
 晴彫雨読 No.1-20
 晴彫雨読 No.21-40
 晴彫雨読 No.41-60
  No.41 謎の巨石文明と古代日本
  No.42 子ども美術館8
  No.43 眠る石
  No.44 石の考古学
  No.45 石造文化
  No.46 日本の美術 城の石垣と...
  No.47 石仏巡り入門
  No.48 中欧・墓標をめぐる旅
  No.49 碑刻
  No.50 石の文化誌
  No.51 鉱物・書物の王国6
  No.52 石垣普請の風景を読む
  No.53 インカを歩く
  No.54 当尾の石仏めぐり
  No.55 近江石の文化財
  No.56 石の説話
  No.57 ヨーロッパの始まり...
  No.58 おかやま・石のこころ
  No.59 死者のホンネ・英国...
  No.60 あなたの石


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