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晴彫雨読No.45 石造文化

 金石学(きんせきがく)という言葉がある。鋳造物や石造物に描かれた文字や文様を研究する学問である。今回ご紹介の一冊は日本の古い石造文化財を対象として、その碑文や石造物の保存に努めようとしている学会が編んだ「石造文化」。

 中国では石碑に刻された書家の名筆を拓本にとり、書道の手本とすることは1000年以上も前から行われていたらしい。有名な「王義子」の書や六朝風の書体などは我々にも身近な存在である。中国では各地で古い石碑が建物に保存され、たとえば千年以上も前の唐時代の石碑を建立当時そのままの姿で保存しているのも多いとのこと、殆ど野ざらし状態の日本の状態と比較すると雲泥の差である。石造物そのものはまだしも、碑文などは江戸時代のもでも読解が怪しい状況にあるとのこと。本学会の発足は2001年とまだ新しく、今後の活動に大いに期待したい。 

 さて、本書の内容だが古い石碑についての解読法や拓本の技法などそれぞれの研究成果が8編にわたって記されている。中でも私が興味を持ったのは「慶長以前の石大工」と題された一編。石造物を作った石工に注目し、筆者の石工についての解説とともに、全国の石造物に刻された石工名を銘文紀年、作品種類、所在地、参考文献とともに279件にわたって列挙している。全国各地の存在する石造物からいえばおびただしい数の石工が存在したことは間違いないのであるが、こうして石に刻まれた石工名の列挙を目にすると感慨ひとしおである。また、石に刻まれた書や技法が数多くの研究者によって研究対象とされ、このような研究書にまとめられている現実に敬意を表したい。あとがきには「石工名の調査や、風化した碑文の解読法、拓本取りの技法を公開、普及活動することによって、石造文化財への一層の認識を深めたい」とある。

 将来の石造文化財になるかどうかは別にしても、我々も石材業者として各地で石造物の建立している。中国から仕入れた石碑や鳥居、灯籠などに石材業者名や石工名を刻んでいる例が結構あるが、このような行為は、本学会からみるとどんな意味を持つのであろうか。考えてみると、どこか恥ずかしいことをしているのでは。

  本のデータ
書籍名/石造文化(2002年)
著 者/日本石造文化学会編
体 裁/A5版 166ページ 価格2000円
発行所/日本習字普及会 03-3813-6925



 石の本リスト
 晴彫雨読 No.1-20
 晴彫雨読 No.21-40
 晴彫雨読 No.41-60
  No.41 謎の巨石文明と古代日本
  No.42 子ども美術館8
  No.43 眠る石
  No.44 石の考古学
  No.45 石造文化
  No.46 日本の美術 城の石垣と...
  No.47 石仏巡り入門
  No.48 中欧・墓標をめぐる旅
  No.49 碑刻
  No.50 石の文化誌
  No.51 鉱物・書物の王国6
  No.52 石垣普請の風景を読む
  No.53 インカを歩く
  No.54 当尾の石仏めぐり
  No.55 近江石の文化財
  No.56 石の説話
  No.57 ヨーロッパの始まり...
  No.58 おかやま・石のこころ
  No.59 死者のホンネ・英国...
  No.60 あなたの石


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