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晴彫雨読No.42 子ども美術館8 石と彫刻

 我が国の石材業界が、石という素材と真正面に向き合わなくなったのは、つい最近のことである。中国からの石材製品が堰を切ったように流入している今日では、石に触らなくても石屋を名乗ることができる。このような状況で議論される石材業界とは、いったいどんな業界を目指しているのであろうか。今後この業界を担っていくであろう、若い石材業界人はこの業界に対してどんな夢を見ているのであろうか。

 素材に対する確かな知識と、素材を通して培った石に対するさまざまな技術や感覚が、この業界を画する領域線と思うこのごろだが、果たしてこの思いをいつまでいつまで保てるか、自信は無い。

 今回採りあげた本は、一般子供向けに編集された「石と彫刻」。著者が彫刻家として制作上のモチーフについて触れ、ひとつの彫刻制作を通して石と向き合うプロセスが克明に記された子供用の美術書である。子供向けといっても内容はかなり専門的で、石材業界の状況も彫刻家からの視点で描かれており面白い。特に後半の「わたしと石彫」と題する項は、著者の石に対する真摯な姿勢が吐露されており、興味深く読むことができた。その項の中で描かれている石職人に対する著者自身の発見、「石の職人達はなによりも目(感性)を大切にしている」という一言が印象的である。

 この本の中で述べられている「石の持つ力強さや美しさ」が今の石材業界にどれだけ受け入れられるか分からないが、著者の言葉ひとつ一つが現状にどっぷり浸かってしまっているわれわれには新鮮に響いてくる。ノミ焼きやノミ打ちのハンマーの手応え、大ガネでの墨出しやジャッキを使った作業など、この業界ではだんだんと遠くなってしまっている記憶である。このような子供向けの本が世の中に出版されることによって、何人かでも石という素材に興味を覚える人が生まれてくるのを期待する。

 子供達が、砂場で遊ぶことや河原で石拾いに興ずること、もっと大きくなって鉱物や岩石の美しさ神秘さに心打たれることが、人間の感情として自然であり、それらが石という素材に結びつく伏線になっていることをどこかで信じつつ、これからもこのような子供向けの石の本が数多く出版されることを願っている1人である。
 
本のデータ
書籍名/子ども美術館8 石と彫刻(1981年)
著 者/鈴木久雄
体 裁/A4版 39ページ 価格1500円
発行所/ポプラ社



 石の本リスト
 晴彫雨読 No.1-20
 晴彫雨読 No.21-40
 晴彫雨読 No.41-60
  No.41 謎の巨石文明と古代日本
  No.42 子ども美術館8
  No.43 眠る石
  No.44 石の考古学
  No.45 石造文化
  No.46 日本の美術 城の石垣と...
  No.47 石仏巡り入門
  No.48 中欧・墓標をめぐる旅
  No.49 碑刻
  No.50 石の文化誌
  No.51 鉱物・書物の王国6
  No.52 石垣普請の風景を読む
  No.53 インカを歩く
  No.54 当尾の石仏めぐり
  No.55 近江石の文化財
  No.56 石の説話
  No.57 ヨーロッパの始まり...
  No.58 おかやま・石のこころ
  No.59 死者のホンネ・英国...
  No.60 あなたの石


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