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晴彫雨読No.40 アンコールの神々

 今回のご紹介は、仕事の合間に気楽にながめられる写真集。字数の多いものばかりここ数回取り上げましたので、ちょっと息抜き。

 石の建築や石での造形物といえば、エジプトのピラミッドや西洋の寺院、遺跡を思い起こすが、実は東洋にもすばらしいものがたくさんある。インドの石の遺跡も有名だが、今回はカンボジアのクメール人が12世紀に造ったといわれる「アンコールの神々」に注目してみた。12世紀といえば、パリのノートルダム寺院が造られ、日本では宇治の平等院がたてられた時期。それぞれの地域で違った文化が花咲いた時期というる。

 このアンコールの遺跡を修復する作業に日本政府はユネスコと協力して、深く関わってきたわけだが、この写真集も国際機関による復興事業の継続発展を願って発刊された。遺跡として保存するという意味合いが、ヨーロッパと日本では異なることも、この本の発刊に際して言葉を寄せている平山郁夫氏が指摘している。ヨーロッパは元に戻すという発想で、公園のようにしてしまった例として、ルンビニやボドブドールを挙げている。

 このアンコール遺跡の修復は、日本チームがリードして行われ、当時の精神や積み重ねられた歳月の味を大事にして、遺跡としての美しさを損なわないように取り組んだとのこと。その根底になった考え方が「形あるものは必ず滅びるという日本の美意識」の感性があるという。おびただしいアンコール遺跡の数々が、写真家によって切り取られ、本によっても圧倒的な迫力を持って迫ってくる。一つ一つの像の顔がなぞめいた表情を送っている様が臨場感あふれんばかりである。

 アジアの辺境で繰り広げられた、天に向かってそびえ立つ巨大な石の造営に思いを馳せ、当時の美意識や宗教的行為を垣間見るもの、われわれ石屋の素養を深めるのには、たまには必要なことかも。さらに、西洋的な価値観についつい踊らせれている今の世の中だが、東洋的な価値観にどっぷり浸かり、東洋的な美しさを見つめてなおす作業は、これからの未来を考える上で、案外大切な行為となってくるかも知れない。

本のデータ
書籍名/アンコールの神々(1997年)
著 者/BAKU・斉藤(撮影)中川 武(監修・文)
体 裁/B4版 88ページ 価格4800円
発行所/小学館 TEL 03−3230−5739



 石の本リスト
 晴彫雨読 No.1-20
 晴彫雨読 No.21-40
  No.21 インド巡礼の道
  No.22 写真でわかる謎への道...
  No.23 南イタリア 石のすまい
  No.24 巨石文化の謎
  No.25 石に聴く 石を彫る
  No.26 日本石仏辞典
  No.27 新・石の文明と科学
  No.28 石仏と石塔
  No.29 聖なる石に出会う旅
  No.30 石臼の謎
  No.31 石の夢
  No.32 ミステリーストーン
  No.33 石と建築
  No.34 墓と石塔
  No.35 石屋の小僧が彫刻家に...
  No.36 石−伝説と信仰
  No.37 石の表情
  No.38 石の街並と地域デザイン
  No.39 石の星座
  No.40 アンコールの神々

 晴彫雨読 No.41-60

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