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ホーム >> 石の本の紹介 >> 晴彫雨読 No.21-40 >> No.39 石の星座
晴彫雨読No.39 石の星座

 以前このコーナーで、鎌倉時代の東大寺大仏殿復興造営のために中国の宋から招かれた石工、伊行末のことを述べたことがある。彼の石工としての仕事を訪ねたいと思っていたが、今回ご紹介する「星の星座」に、この伊行末のことが詳しく述べられており、実は私も何度もみていた東大寺三月堂前の石灯籠が彼の作品であった。そうと解れば、改めて観てみたいと思っている。東大寺南大門の中にあるという狛犬も彼の作品であるという。

 驚いたことに、それに用いられた石は、日本には彫刻に適した石がないということで、中国から石を輸入して、つくられたとのこと。石灯籠の火袋の石も同様の石であることも記されている。私自身の知識の浅さを改めて思い知ると同時に、当時の石の仕事に賭ける一途な意気込みを感じた次第。当時の海運状況はどのようなものだったか想像の域を越えないが、現在のように、単に安いからという理由だけで大量に持ち込まれている中国石材の事情とは、大分意味合いが違うようだ。

 いつしか石に興味を持つようになったエッセイストが書き記した、石めぐりのこの一冊は、私にとって新鮮な内容に満ちていた。

 宋から渡来した石工集団の話しの他にも、神の降臨する石、風土記の大石、石を地名に持つ村、俳諧者、画家達の墓の話など、一編一編が幻想に満ちており、静かに想像力を刺激する。著者の石に対する深い洞察やそれぞれの話に出てくる石にまつわる知識は、著者の静かに物語る文体に包まれ、それらを誇示することなく記されている。著者の人柄がにじみ出てくるような良書である。 

 このような「石の本」の紹介を通して改めて感じていることであるが、様々なひとびとが、職業や世代を越えて、石や石にまつわる事項に関心や興味を持っている事実に触れるたびに、感慨ひとしおである。今回取り上げたような好書に巡り会えることが、このコーナーを続けている自分自身のとって、実は密かな喜びでもある。

本のデータ
書籍名/石の星座(1983年)
著 者/足立巻一(あだち けんいち)著
体 裁/A5版 259ページ 価格1800円
発行所/編集工房ノア TEL 06−6373−3641



 石の本リスト
 晴彫雨読 No.1-20
 晴彫雨読 No.21-40
  No.21 インド巡礼の道
  No.22 写真でわかる謎への道...
  No.23 南イタリア 石のすまい
  No.24 巨石文化の謎
  No.25 石に聴く 石を彫る
  No.26 日本石仏辞典
  No.27 新・石の文明と科学
  No.28 石仏と石塔
  No.29 聖なる石に出会う旅
  No.30 石臼の謎
  No.31 石の夢
  No.32 ミステリーストーン
  No.33 石と建築
  No.34 墓と石塔
  No.35 石屋の小僧が彫刻家に...
  No.36 石−伝説と信仰
  No.37 石の表情
  No.38 石の街並と地域デザイン
  No.39 石の星座
  No.40 アンコールの神々

 晴彫雨読 No.41-60

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