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晴彫雨読No.38 石の街並みと地域デザイン

 ヨーロッパの「石の文化」と比較され、日本は「木の文化」という評価が定着している中にあって、今回取り上げた本は「日本は石の国であり、石造りの国である」と宣言し、日本で育まれてきた「石の文化」に着目し、石による都市景観づくりを提言している嬉しい一冊である。

 「石の街並みと地域デザイン」というタイトルでまとめられた本書は、30代前半の若い地域計画を専門とする工学博士によって記された専門書である。著者は神戸、芦屋に生まれ。兵庫県六甲山麓の御影石の本場として名高い石の産地であり、著者自身も幼い頃から石垣を遊び場にしてよく遊んだと述懐している。

 内容的には、「石の国・日本」と値する我が国の石の風景を、安山岩質、御影石、変成岩、凝灰岩、砂岩といった石産地ごとに紹介している章から、「石の街並み形成」として、農村部の石の景観から都市部の石垣の実例を検証している。さらに「石が織りなす都市文化」という見地から、奈良飛鳥地方・神戸六甲山麓地区・京都・東京山の手地区を実例にしながら、それぞれの地域での石づかい、石の流通形態の違いなどを分析している。最終章では「石の地域デザインの可能性」として、これからの街づくりの実践として、様々な石の可能性を提案している。

 具体的には、「石のリサイクルで街を博物館に」という提案や、「街をエコロジカルなロックガーデンに」という提案、あるには「石垣バンク」という耳新しい提唱があり、石の新たな需要を模索している方には是非一読をお薦めしたい。

 最近の中国材の流入によって、全国一律の街づくり形成に一役買っている石材業界だが、本来の地域の特性を活かした街づくりを考えてみると、本書でも指摘しているように石の果たしてきた役割は大きい。私たちが日常目にしている当たり前の石の風景も、このように地域や産地あるいは歴史ごとに比較検証してみると、新しい石の可能性が見えてくる。

 コスト面だけを追求すると、中国材の陰が忍び寄ってくるが、コストだけでは割り切れないのが、地域づくりだとすれば、それぞれの街の景観を形作り、歴史を継承してきた素材として、石を考えるきっかけをあたえてくれた本書の若い著者に、エールを送りたい。


本のデータ
書籍名/石の街並と地域デザイン(2001年)
著 者/三宅正弘(みやけ まさひろ)著
体 裁/A5版 174ページ 価格2000円
発行所/学芸出版社 TEL 075−343−0811


 石の本リスト
 晴彫雨読 No.1-20
 晴彫雨読 No.21-40
  No.21 インド巡礼の道
  No.22 写真でわかる謎への道...
  No.23 南イタリア 石のすまい
  No.24 巨石文化の謎
  No.25 石に聴く 石を彫る
  No.26 日本石仏辞典
  No.27 新・石の文明と科学
  No.28 石仏と石塔
  No.29 聖なる石に出会う旅
  No.30 石臼の謎
  No.31 石の夢
  No.32 ミステリーストーン
  No.33 石と建築
  No.34 墓と石塔
  No.35 石屋の小僧が彫刻家に...
  No.36 石−伝説と信仰
  No.37 石の表情
  No.38 石の街並と地域デザイン
  No.39 石の星座
  No.40 アンコールの神々

 晴彫雨読 No.41-60

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