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ホーム >> 石の本の紹介 >> 晴彫雨読 No.21-40 >> No.36 石ー伝説と信仰
晴彫雨読No.36 石−伝説と信仰

 人類の祖先が道具として、石を利用し始めたことは太古のことであり、人類の歴史が石器時代で幕を開けたように、石は人類と深い関わりを持ちながら共に歩んできた。日本でも多数のおびただしい旧石器時代からの石器が発掘されている。余談であるが、我が宮城県では昨年世間を唖然とさせた石器ねつ造事件が発覚し、未だに日本史の出発点そのものを揺るがせていることは記憶に新しい。それはともかくとして、石臼や漬け物石などの生活の道具として、あるいは石仏や墓石などの信仰の対象として、または伝説の素材としての巨石や奇石、建築土木においては礎石や石積みなど、あらゆる場で根強く信頼され利用されてきた。

 残念ながら、時代の急速な変化によって、石の文化は生活の場から急激に姿を消しつつある。特に近年は神仏に対する畏敬の念が喪失し、信仰の対象となっていた様々な石造物は人々の記憶から消失されようとしている。かろうじて、墓石が俗世間の見栄の張り合いも作用して豪華さを競っているという現実。

 前置きが長くなってしまったが、今回ご紹介の本は、失われつつある石に込められた日本人の心をさぐり続けた「石ー伝説と信仰」。著者は秋田県在住の教育関係に携わっていた方で、日本民俗学会会員でもある。内容は前述した日本人の様々な石の文化を取り上げて、民俗学的な考察を加えて記してある。写真も豊富に取り入れてあり、長年、この分野での研究を重ね深めていたことが推測される。

 この本のお薦めポイントは、様々な石の利用が細かく紹介されており、凝り固まった石の仕事の観念をほぐしてくれる点である。歴史の石、伝説の石、信仰の石、生活の石、の4項に分類され記されているが、ぞれぞれの分野でこれからの新たな石の仕事を考えるヒントが詰まっている。特に信仰の石と生活の石の項は、すぐにも役立ちそうである。

 この種の本に接して、常に思うのであるが、現在の石材業の仕事に対する視野の狭さ。様々な素材が発明出現し、石からそれらに置き換えられてしまっている現実はあるにしろ、石の仕事の領域が狭められている要因の一つに、われわれ石材業界の勉強不足にあると感じている。その時代の願いと夢を共有したであろう、先人の様々な石の仕事に接することによって、これからの石の仕事を模索するきっかけになりはしないかと思うひとりである。

本のデータ
書籍名/石ー伝説と信仰(1994年)
著 者/長山幹丸(ながやま みきまる)著
体 裁/B6版 303ページ 価格1942円
発行所/秋田文化出版 TEL 0188−64−3322


 石の本リスト
 晴彫雨読 No.1-20
 晴彫雨読 No.21-40
  No.21 インド巡礼の道
  No.22 写真でわかる謎への道...
  No.23 南イタリア 石のすまい
  No.24 巨石文化の謎
  No.25 石に聴く 石を彫る
  No.26 日本石仏辞典
  No.27 新・石の文明と科学
  No.28 石仏と石塔
  No.29 聖なる石に出会う旅
  No.30 石臼の謎
  No.31 石の夢
  No.32 ミステリーストーン
  No.33 石と建築
  No.34 墓と石塔
  No.35 石屋の小僧が彫刻家に...
  No.36 石−伝説と信仰
  No.37 石の表情
  No.38 石の街並と地域デザイン
  No.39 石の星座
  No.40 アンコールの神々

 晴彫雨読 No.41-60

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