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晴彫雨読No.35 石屋の小僧が彫刻家になった途々の話

京都南禅寺の近くを散策していると、とある門前の何気ない石造物に気を引かれたことがあった。小松石でつくられた石柱は、いかにも手作りのぬくもりを感じさせ、その石柱に魅せられて門を覗くと、アプローチを兼ねた前庭に数個の小さなお地蔵さんがおいてあった。そのお地蔵さんも、観るものに何かを語りかけてくるような表情があり、しばらく門前からそのお地蔵さんを眺めていた。
 私が今回ご紹介する本「石屋の小僧が彫刻家になった途々の話」の著者、杉村孝氏の作品との最初の出会いである。それから数年経って今回の杉村氏の著書に宮城県図書館で偶然巡り会い、とても興味深く読むことができた。

 静岡県立美術館で出会った私の会社で産出する石で制作した作品も彼のであり、私の会社がとてもお世話になっている静岡の石材問屋さんとも、深いおつき合いあることもこの本で知った次第。

 京都での杉村氏の作品との出会いから、何かに導かれているような感じである。
 この本の題名にもあるように、著者は石屋にうまれ、「石屋の小僧でも、落ちこぼれでも、一つのことを諦めずにやりとげていればなんとかなるものだ」と石を彫り続けて、彫刻家として制作に励む毎日を送っている。

 石屋の見習いとして、実家での修行話や、結婚後に美術学校に入学し、東京の石屋で稼ぎながら様々な人との出会い話は、著者の実直な人柄がにじみ出ていてジ〜ンとくるものがある。身を削るようにして石に立ち向かい、その体験あるからこそわき出てきたような杉村氏の言葉の数々にも胸が打たれた。また、各地を歩いて出会った様々な石造物に対する文面にも、彼の「石職人」としての誠実さを感じさせ、共感を覚えた。

 第2章は「途々の記」として、当時の日記を記しており、かなりのスペースを割いている。氏が彫刻家として経験してきた生の声をあからさまに綴っており、著者の周辺事情や制作上の心意気が読みとれ興味深い。

 修学時期には、デッサン用の消しゴム代わりに使うパンの端を食し、栄養失調で体調を壊すまで彫り続けたという著者の印象的な言葉に「石が生きいると思った。石が語りかけてくる」とある。そんな著者の作品は、京都での出会いで実感した通り、やはり何か引きつけるものを持っていると、ひとり納得した次第。

本のデータ
書籍名/石屋の小僧が彫刻家になった途々の話(1995年)
著 者/杉村 孝(すぎむらたかし)著
体 裁/A6版 218ページ 価格1800円
発行所/静岡新聞社 TEL 054−284−1666


 石の本リスト
 晴彫雨読 No.1-20
 晴彫雨読 No.21-40
  No.21 インド巡礼の道
  No.22 写真でわかる謎への道...
  No.23 南イタリア 石のすまい
  No.24 巨石文化の謎
  No.25 石に聴く 石を彫る
  No.26 日本石仏辞典
  No.27 新・石の文明と科学
  No.28 石仏と石塔
  No.29 聖なる石に出会う旅
  No.30 石臼の謎
  No.31 石の夢
  No.32 ミステリーストーン
  No.33 石と建築
  No.34 墓と石塔
  No.35 石屋の小僧が彫刻家に...
  No.36 石−伝説と信仰
  No.37 石の表情
  No.38 石の街並と地域デザイン
  No.39 石の星座
  No.40 アンコールの神々

 晴彫雨読 No.41-60

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