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ホーム >> 石の本の紹介 >> 晴彫雨読 No.21-40 >> No.30 石臼の謎
晴彫雨読No.30 石臼の謎

 私の幼い頃、祖母の手伝いで小麦粉を石臼で挽いた記憶が残っている。30〜40年前の田舎暮らしでは、当たり前のように使われていた石臼。機械化による大量生産、大量消費の現代では、単なるノスタルジックな光景となってしまった。

 今回のご紹介はそんな石臼に、ひょんな事から粉体工学を専門とする学者が興味を持ち、学者ならではの、いや、学者らしからぬ探求心で石臼や石臼をめぐる事柄に迫った「石臼の謎」。著者の三輪茂雄氏は粉体工学という聞き慣れない分野を専門とする工学博士であるが、著者の視点は人間の暮らしや物と人間の文化の関わりといった所にあり、本書でも非常に幅広い観点でしるされている。他にも多数、石臼や「粉」に関する事が面白く読むことができる著書が多数あるので、興味がある方は著書の紹介欄を参考にどうぞ。

 さて、本書の中身の紹介。全国各地、「石臼」をテーマに著者自ら訪ね歩き、石臼の形態や、石臼の用途や種類、石臼の技術史まで追い求めた一冊。石臼のうんちくが凝縮されている。当然、石臼をつくった石工のことにも触れられており、昔、実際に石臼を作ったことのある石屋さんを、京都、三重、山形、九州四国各地、東京などと訪ね歩き、その土地の石臼の素材である石材や、作り方などいろいろなエピソード交えながら、紹介してあるのがうれしい。

 また、石臼を詳しく知るのに「作ってしまうのが一番」と言うことで、実際に石臼づくりに挑戦し、石工が使った工具や石臼づくり行程が詳しく図解してあり、これを参考に石臼をつくれるくらい解説してあるので、石屋の参考書と言っても良いかも知れない。巻末には、全国の石臼、茶臼地域情報が一覧でしるされていて、興味がある方には貴重な情報となっている。

 本文の前書きで、著者は、現代の「生活文化の破壊」の現状に触れ、「石臼はじめ昔からの生活用具を使う生活も、それらを作り出す技も、そして今日までの歴史のなかで育てられ、保存されてきた人間の生活の知恵の集積も、そして、もっと大切なことはそれにともなう、かけがえのない心も一挙に失われているのである。」と指摘している。

 中国材に振り回され、ものづくりに関わってきた石屋としての自負を持ち続けようとしている石屋は、全国にどのくらい存在するかは不知であるが、重い言葉である。

本のデータ
書籍名/石臼の謎(1994年)
著 者/三輪 茂雄著
体 裁/B6版 319ページ 価格2000円
発行所/クオリ TEL 03−3948−6171



 石の本リスト
 晴彫雨読 No.1-20
 晴彫雨読 No.21-40
  No.21 インド巡礼の道
  No.22 写真でわかる謎への道...
  No.23 南イタリア 石のすまい
  No.24 巨石文化の謎
  No.25 石に聴く 石を彫る
  No.26 日本石仏辞典
  No.27 新・石の文明と科学
  No.28 石仏と石塔
  No.29 聖なる石に出会う旅
  No.30 石臼の謎
  No.31 石の夢
  No.32 ミステリーストーン
  No.33 石と建築
  No.34 墓と石塔
  No.35 石屋の小僧が彫刻家に...
  No.36 石−伝説と信仰
  No.37 石の表情
  No.38 石の街並と地域デザイン
  No.39 石の星座
  No.40 アンコールの神々

 晴彫雨読 No.41-60

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