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ホーム >> 石の本の紹介 >> 晴彫雨読 No.21-40 >> No.28 石仏と石塔
晴彫雨読No.28 石仏と石塔

 石仏と石塔に関することについては前々回、「日本石仏辞典」で紹介したが、ちょっと専門的で読み物としては読みづらかったかもしれない。今回ご紹介の「石仏と石塔」はそんな「日本石仏辞典」のダイジェスト版というべき位置づけの一冊。項目ごとに写真を多用しており、素人にも親しみやすい編集になっている。

 今までは、石仏や石塔類はあまりに文化財とか美術的、学術的価値とかという側面からは見過ごされがちであった。それは木像仏や金物仏に比べて圧倒的に国宝や国の重要文化財の指定が少ないことでも一目瞭然。石造物で国宝となっているモノは、巻末の主な石造物一覧の資料から拾っても、奈良薬師寺の仏足石や大分臼杵摩崖仏などわずかに4点のみと寂しい状況である。今回は出版社の企画で「文化財探訪」というシリーズの中で採り上げられているのが嬉しい限りである。

 石には石の持つ表情があり、石ならではの造形美がある。

 本書で紹介されているとおり、古代・中世の石造物を研究した故川勝政太郎氏はこれらの石造物を「石造美術」と名付け、石造物に潜む素朴さと美術的な側面に注目した。また「石には永遠の生命がある。木でつくられた像と違って、石仏なら野にあってもしっかりと耐え、像立した人々の願いが自然の中で息づいている。石仏には野外が似合う」(本書より)

 内容的には、最近発掘されて日本中の考古学ファンの注目を集めた飛鳥の酒船石遺跡である亀型石造物と湧水施設なども紹介されていて、石仏と石塔に関する最新版。また、石工や石材、当時の石仏の彫刻技法などにも豊富に取り上げてあり、読み応えのある内容となっている。たとえば、鎌倉時代の奈良東大寺復興に際し、中国の宋から招かれ我が国の石大工の先駆者として位置づけされている伊派の石大工(初代、伊行末)に関しての記述や作例の写真紹介などは、石屋を営む者にとっては興味深い。自分たちの仕事の軸線上にこのような多様な石造物があり、多くの研究者によって石造物の価値について調査研究されている事実を垣間見ることも良いのでは。商売熱心のあまり、日頃あまりこんな本に接する機会の少ない方々でも、手軽に読める好書。

書籍名/石仏と石塔(2001年)
編集・執筆/青木 忠雄
体 裁/A6版 127ページ 価格1600円
発行所/山川出版社 TEL03−3293−8131




 石の本リスト
 晴彫雨読 No.1-20
 晴彫雨読 No.21-40
  No.21 インド巡礼の道
  No.22 写真でわかる謎への道...
  No.23 南イタリア 石のすまい
  No.24 巨石文化の謎
  No.25 石に聴く 石を彫る
  No.26 日本石仏辞典
  No.27 新・石の文明と科学
  No.28 石仏と石塔
  No.29 聖なる石に出会う旅
  No.30 石臼の謎
  No.31 石の夢
  No.32 ミステリーストーン
  No.33 石と建築
  No.34 墓と石塔
  No.35 石屋の小僧が彫刻家に...
  No.36 石−伝説と信仰
  No.37 石の表情
  No.38 石の街並と地域デザイン
  No.39 石の星座
  No.40 アンコールの神々

 晴彫雨読 No.41-60

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