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ホーム >> 石の本の紹介 >> 晴彫雨読 No.21-40 >> No.26 日本石仏辞典
晴彫雨読No.26 日本石仏辞典

 全国各地におびただしい数の石塔、石仏が存在し、この石塔石仏の多様さが日本における古来からの民間信仰の多彩な発展と推移を物語る一つになっている。いわば、これらの一つ一つに庶民の思想や信仰、風俗や民俗を考察するうえで貴重な資料となっているのである。

 今回取り上げたのは、我々の仕事とも非常に近い関係にあるはずの石塔、石仏を系統的にとりまとめ、一つの辞典として編纂した「日本石仏辞典」。本書はより多くの人がこれらの基礎的な理解を得られるように3部構成となっている。 

 全国に散在する石仏、石塔類を第一部では表現された石仏の形ごとに解説した像容の部、第2部ではそれぞれ建立された意味を解説する信仰の部、そして第3部では形作られた物の形態や石質を考察した形態の部に分類し、歴史考古学的に、あるいは信仰民俗学的に研究が深められるように配慮されている。また付録として、石に刻まれた符号の意味や銘記用語の例、異体字のことなどにも触れ、全国各地を実地に調査した体験なしには記述しえないところまで言及していて興味深い。

 さらに嬉しいことに、我々石工のルーツや古墳時代から江戸時代までの石工について、また加工技術にまで触れていて、読み応えのあるボリュームとなっている。数多く紹介されている写真も項目ごとに分類されている石仏、石塔類の理解を深める手助けとなっている。我々石材業界人としても、知らなくてもこれさえれば何でも分かるということで是非手元に置いておきたい一冊である。

この辞典はまた、脈々と続けられてきた石工たちの仕事をダイジェスト的に顧みるのに丁度良い。そこには作り手である石工の心意気を随所に感じ取ることができる。それは見事な石の見立てであり、粋な図像のデザインであり、緊張感あふれる文字彫刻などである。完成に至るまでの形に出ない試行錯誤を感じさせるものも多い。石工の息づかいが聞こえてくるような一冊といっても良い。今や手っ取り早い商品群となってしまった現在の石塔、石仏に決定的に欠けているモノがこれらの写真にはあふれている。

 後世の人が、もし同じような辞典をまとめた場合、現在の石材業界の仕事はいったいどのような評価となるのだろうかなどと、チラッと考えさせられるところがあるのではないかしら。


書籍名/日本石仏辞典(1996年) 
著 者/庚申懇話会編
体 裁/A5版 433ページ 価格4800円
発行所/雄山閣出版 TEL03−262−3231


 石の本リスト
 晴彫雨読 No.1-20
 晴彫雨読 No.21-40
  No.21 インド巡礼の道
  No.22 写真でわかる謎への道...
  No.23 南イタリア 石のすまい
  No.24 巨石文化の謎
  No.25 石に聴く 石を彫る
  No.26 日本石仏辞典
  No.27 新・石の文明と科学
  No.28 石仏と石塔
  No.29 聖なる石に出会う旅
  No.30 石臼の謎
  No.31 石の夢
  No.32 ミステリーストーン
  No.33 石と建築
  No.34 墓と石塔
  No.35 石屋の小僧が彫刻家に...
  No.36 石−伝説と信仰
  No.37 石の表情
  No.38 石の街並と地域デザイン
  No.39 石の星座
  No.40 アンコールの神々

 晴彫雨読 No.41-60

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