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ホーム >> 石の本の紹介 >> 晴彫雨読 No.21-40 >> No.23 南イタリア 石のすまい
晴彫雨読No.23 南イタリア 石のすまい

 イタリアと言えばなにを連想しますか。食べ物だったらスパゲティ、ミラノコレクションで代表されるファッションですか。それともオペラやカンツォーネなどの音楽?石屋だったらやっぱり大理石ですね。石の彫刻の歴史もありますね。

 ちょっと考えただけでもとても身近な国、イタリア。今回の長靴の踵に当たる、ムルジアという地方に残る石積みの家を紹介した「南イタリア 石の住まい」。建築の専門書でカラー写真はそれほど多くないが、それでも多くのモノクロ写真によってこの珍しい建物の構造や建物の作り出す雰囲気が十分に伝わってくる。

 石灰石で覆われたこの地方独特の建物は、当初、農耕地を開拓する課程で出たおびただしい石塊を積み上げで作られたものらしい。そもそもこの地方には石灰質の地質であるために石灰岩の洞窟に住んでいた住居跡がたくさんあり、石を住まいに利用することは自然発生的だったのである。古代のギリシャ時代やローマ時代にはこれらの地形を利用し、要塞化したお城や住居のことにも触れており、地域の風土や歴史と建築物についての記述も興味深い。

 トゥルッリとかトゥルッロと呼ばれるこの愛すべき建物の建築技術は封建制度の圧政中で、庶民の知恵ではぐくまれ、モルタルの使用を禁止された後はきわめてその技術が洗練されていったという。細かい石で組み上げられたアーチや、石を微妙にずらし積み上げていった尖り帽子状の屋根などには、これを積み上げた当時の石職人の息づかいやぬくもりがが感じられるようである。

 アルベロベッロのモンテイ地区というところは現在でも1030個もの尖り屋根の石積み家が残っており、3000人の人がその町で生活を営んでいる。イタリアの文化財として、町ぐるみ保存されているという。派手で陽気なイタリアという印象強い国の中に、イタリア人の奥ゆかしさや質素さ、地道さを感じさせる建物である。

 私はこの本によってはじめてこの建物の存在を知った。イタリアといえば建築石材に携わっている業者の皆さんにとっては見過ごすことができない国であるが、近代的な側面のほかに、こんな建築物をも大切に抱え持っていることにとても興味が沸いた次第。

本のデータ
書籍名/南イタリア 石の住まい(1993年)
著 者/エドワード・アレン著
体 裁/A5版 237ページ 価格3200円
発行所/学芸出版社 TEL075−343−0811



 石の本リスト
 晴彫雨読 No.1-20
 晴彫雨読 No.21-40
  No.21 インド巡礼の道
  No.22 写真でわかる謎への道...
  No.23 南イタリア 石のすまい
  No.24 巨石文化の謎
  No.25 石に聴く 石を彫る
  No.26 日本石仏辞典
  No.27 新・石の文明と科学
  No.28 石仏と石塔
  No.29 聖なる石に出会う旅
  No.30 石臼の謎
  No.31 石の夢
  No.32 ミステリーストーン
  No.33 石と建築
  No.34 墓と石塔
  No.35 石屋の小僧が彫刻家に...
  No.36 石−伝説と信仰
  No.37 石の表情
  No.38 石の街並と地域デザイン
  No.39 石の星座
  No.40 アンコールの神々

 晴彫雨読 No.41-60

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