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晴彫雨読No.21 インド巡礼石の道

 人は何か物体、物質に向き合ったとき、その土地の風土の違いがいかに人の感覚に影響するのかを思い知らされた本がここにある。「インド巡礼石の道」、著者は以前このコーナーで紹介した「中世ヨーロッパ、祈りの造形」の著者でもある山崎脩氏である。 「訴えかけてくるものに反応した後、もの造りという造形者は直ちにその形態に思考を広げる。私の場合は図像学的、時代的な興味よりも、むしろその素材と表現の関わり方を凝視する」と述べているように、彼の造形物みる姿勢が素材や図像に秘められた造形者の情念を探ろうとする。その視点が彼の文体や写真にいっそうの説得力を与えているようである。

 さて、本書ではおびただしい数のインドの石の造形物が紹介されているのだが、改めてインドという大地に住む人々のエネルギーの凄まじさ、混沌なるものを感じた次第。

 インドの代表的な石窟であるアジャンダー石窟、エローラ石窟も豊富な写真で紹介されていて、その巨大な岩山をくりぬいていく気の遠くなるような作業を思うとき、人々の世俗的な考えや行為を聖なるものに転化させるに余りある。

 マドラス南部にあるマハーバリプラム寺院は、以前私も実際この目で見ているのだが、だいたい大きな岩山と対峙して、その岩山から具体的な建築物や造形物を発想するするだろうか。日本にも岩山に直接仏像を彫り込んだりや岩山に穴を掘り仏像を彫り込んだ磨崖仏が多くあるが、インドでは岩山そのものを削って巨大な寺院や仏像などを掘り出しているのである。当時のその岩山を削り出す作業に立ち向かう発想が、人々の信仰心や権力者の征服欲によって触発されたかどうかは伺いしれないが、発想そのものが抜けているとしか日本人の私には言いようがない。

 現代でも聖なる大地インドなどと呼ばれている。インド大陸で脈々と受け継がれている信仰心、ついえないインドの魂が確かに存在する。そんな思いを実感する本書である。著者の洗練された写真を主体にシャープな文体によって構成された、石という素材の潜む神々しさを改めて感じ入るお薦めの一冊。
 「インド巡礼とは、石の道を行くことに他ならない」という著者の言葉は、我々石材業界人のこころに突き刺さる。

本のデータ
書籍名/インド巡礼石の道(1997年)
著 者/山崎 脩 著
体 裁/A6版 255ページ 価格1000円
発行所/京都書院 TEL075-841-9131


 石の本リスト
 晴彫雨読 No.1-20
 晴彫雨読 No.21-40
  No.21 インド巡礼の道
  No.22 写真でわかる謎への道...
  No.23 南イタリア 石のすまい
  No.24 巨石文化の謎
  No.25 石に聴く 石を彫る
  No.26 日本石仏辞典
  No.27 新・石の文明と科学
  No.28 石仏と石塔
  No.29 聖なる石に出会う旅
  No.30 石臼の謎
  No.31 石の夢
  No.32 ミステリーストーン
  No.33 石と建築
  No.34 墓と石塔
  No.35 石屋の小僧が彫刻家に...
  No.36 石−伝説と信仰
  No.37 石の表情
  No.38 石の街並と地域デザイン
  No.39 石の星座
  No.40 アンコールの神々

 晴彫雨読 No.41-60

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