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ホーム >> 石の本の紹介 >> 晴彫雨読 No.1-20 >> No.17 石垣普請
晴彫雨読No.17 石垣普請

 私の住む宮城県の県庁所在地・仙台の青葉城で盛んに修復工事が行われている。徳川幕府の400年を迎え、全国各地で城郭石垣の復元工事が相次いで行われているようである。幸いというか不幸というか、青葉城は国宝や重要文化財の指定を受けてはいないためか、修復箇所の石垣を根こそぎ取り外し,使えなくなった部材を新しいものに取り替えながら積み直すというダイナミックな工法により工事が進められている。工事が進むにつれ、伊達政宗時代の石積み遺構が発見され、近世の石積み技術が検証できるものとして専門家の注目を集めているようだ。おかげで工期は延び延びとなり、また仙台観光の目玉として期待されている櫓の位置が正宗時代の城縁に合わせるのか現代の城縁に合わせるのか、仙台市当局を悩ませている。

 実際の工事現場では、取り外された石垣石が復元用の番号を付され、延々と並ぶ。角石などは重さが5トン以上もあるかと思われる石である。合い口は4方に来る石の角度が寸分違わず緻密に加工され、当時の石工技術力を越えた情念が感じ取れる。ひとつ一つの石からそう言ったものが感じ取れ、現場を見ているだけでも身震いを覚える。

 今回のご紹介は城郭石積み研究では第一人者、北垣聡一郎氏著の「石垣普請」。内容的にはかなり専門的なものになっている。われわれ石の専門職としてはこんな本にも触れておきたい。

 石川県に残る加賀後藤氏の石垣にまつわる秘伝書の解説や、石垣構築理論などこの書物ならではの内容が詳細に記されている。例えば石垣の曲線美の元となる勾配のこと、石垣の強度に必要な縄張り・出角・入り角のこと、各役目をもった石の配りのこと等々、それぞれの記述が写真や掲載図とともに解りやすくされている。また当時の石垣積み専門集団であった「穴太衆」、その集団が積んだ「穴太積み」にも豊富に触れており、当時の石積み職人の系図や待遇等にも書き及んでいて、認識が深まること請け合いである。

 このような本に触れては、現代までも通じる城郭石垣の美しさは、そんな当時の石積み専門職人の実用を兼ねた美意識の現れであり、その時代の「粋」をリードしていたのかもしれない、などと勝手な想像を膨らますのである。


本のデータ
書籍名/石垣普請(1987年)
著 者/北垣聡一郎 著
体 裁/A6版 415ページ 価格2900円
発行所/法政大学出版局 TEL03-5228-6271



 石の本リスト
 晴彫雨読 No.1-20
  No.1 石屋史の旅
  No.2 中世 祈りの造形
  No.3 石橋は生きている
  No.4 FUKUOKA STYLE VOL14
  No.5 山里に花ひらく高遠の石工
  No.6 石の博物誌
  No.7 闇の中の石
  No.8 京都名墓探訪
  No.9 石の匠 石都鑿の響
  No.10 ケルト・石の遺跡たち
  No.11 石の神秘力
  No.12 石と死者
  No.13 議事堂の石
  No.14 将軍・大名の墓
  No.15 牟礼・庵治の石工用具
  No.16 石の俗称辞典
  No.17 石垣普請
  No.18 不思議な石の話
  No.19 石ころの話
  No.20 石のはなし

 晴彫雨読 No.21-40
 晴彫雨読 No.41-60

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