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ホーム >> 石の本の紹介 >> 晴彫雨読 No.1-20 >> No.15 牟礼・庵治の石工用具
晴彫雨読No.15 牟礼・庵治の石工用具

 石材業界において、庵治・牟礼町は産地として名高い。毎年展示会が開かれ、業界の方多数が訪れている。その牟礼町に平成7年に石の民俗資料館が完成しており、ご存じの方も多いと思う。今回はその資料館が収集した5,000点以上の石材関係資料の中から、採石から加工までの全行程に関連する用具類791点をまとめた、重要有形民族文化財「牟礼・庵治の石工用具」という石工用具に関する資料集である。

 昭和30年代から急速に機械化が進み、石の仕事も飛躍的に効率的になり、石材業界としての繁栄の礎となったわけであるが、一方ではそれぞれの地方や産出地ごとに培われてきた手仕事による伝統技術や加工に関する先人達の様々な知恵が、石工用具とともに失われようとしている。最近は特に、中国はじめ各国から製品流入により、石を加工する職人さんはめっきり少なくなり、釘抜き一丁で石屋の事が足りるとまで揶揄される時代となってしまった。石の目を読んで石を割ることはもちろん、ノミも持った経験のない“石屋さん”がきわめて多くなってしまった今日の石材業界にあって、「今更このような資料集を取り上げても」という声にもめげずにあえて、紹介する次第である。

 内容的には、たとえば採石丁場で使用されたノミ、ゲンノウ、ヤ、テコといったおなじみのものから運搬用具のハコグルマ、シュラ、ウインチ、といったもの、加工場で使用されたビシャン、グンデラ、カナバン、ボウズリといった名前を聞けば懐かしさがこみ上げてくる諸先輩の方も多いと思うが、とにかく石屋職人の身の回りにあった鍛冶用具から仕事着・弁当箱・キセルのたぐいまで広範囲に用具の一つ一つを冷静に資料として記録してある貴重な一冊である。用具説明や当時の石屋の時代背景なども写真を用いわかりやすく解説してあり、石屋の積年の知恵を受け継ぎたいとお考えの方には是非手元に置いてもらいたいお薦めの資料集である。

 これらの用具を実際に手にして、丁場に、石に立ち向かった当時の石職人のエネルギーをリアルに感じ取れる資料集でもあるが、資料として保存されるのではなく実地にこれらの用具を使う伝統技術の継承こそ、現在の石材業界もっとも必要な視点であると思うのは私だけであろうか。 

本のデータ
書籍名/牟礼・庵治の石工用具(1998年)
編集発行/牟礼町石の民俗資料館(直接申し込み)
       香川県牟礼町牟礼1810
       tel 087-845-8484   
体 裁/A4版 109ページ 頒価1500円


 石の本リスト
 晴彫雨読 No.1-20
  No.1 石屋史の旅
  No.2 中世 祈りの造形
  No.3 石橋は生きている
  No.4 FUKUOKA STYLE VOL14
  No.5 山里に花ひらく高遠の石工
  No.6 石の博物誌
  No.7 闇の中の石
  No.8 京都名墓探訪
  No.9 石の匠 石都鑿の響
  No.10 ケルト・石の遺跡たち
  No.11 石の神秘力
  No.12 石と死者
  No.13 議事堂の石
  No.14 将軍・大名の墓
  No.15 牟礼・庵治の石工用具
  No.16 石の俗称辞典
  No.17 石垣普請
  No.18 不思議な石の話
  No.19 石ころの話
  No.20 石のはなし

 晴彫雨読 No.21-40
 晴彫雨読 No.41-60

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