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ホーム >> 石の本の紹介 >> 晴彫雨読 No.1-20 >> No.12 石と死者
晴彫雨読No.12 石と死者

 我が国には、原始時代から現代までおびただしい数の「墓石」が存在する。中世以降、仏教が盛んになるにつれ、仏教的な葬式が確立し、仏教的な意味付けをされた「石塔」が発達して今日に至ってる。人々は、さまざまな想いを石に託し、死者を葬る文化を培ってきた。日本においては、仏教的な葬式や仏教的な墓石に何の違和感もなく受け入れている訳であるが、仏教発祥の地、インドでは、古来から死者供養や葬送儀礼には基本的にはかかわることがなかったと言う。仏教本来の思想や教義と死者供養とは全く無関係であり、インドの一般的な風習では墓を建てたりする習慣がないということである。

 今回ご紹介の「石と死者」(佐藤宗太郎著)では、著者の日本においてなぜ仏教が死者供養に関わるようになったのか、なぜおびただしい墓石が建てられたのかという疑問を発端に、その思考の一端を本書にまとめたものである。仏教を伝えた中国や韓国でも発達しなかった仏教的な葬式がなぜ日本にだけ定着したのか。石仏写真をとり続けてきた著者が、石の宗教造形的視点から「墓石」の写真を通して、日本人の「葬」の営みを探ぐろうとした意欲的で極めてユニークな一冊である。

 石仏写真が専門だけあって一枚一枚の写真がとても美しく、説得力をもっている。構成は環状列石や古墳などの原始時代、五輪塔や磨崖仏などの中世、石仏や墓碑石塔などの近世、埋め墓、配石墓などの近代・現代の4部構成の写真編と文章による解説編になってる。最初の写真編に圧倒され、解説編では日本人が「墓石」にこだわる理由が、前半の写真の部の解読的な意味を込めて記されている。

 日常的に商売として触れている墓石であるが、たまにはなぜ日本人が「墓石」にこだわるのか、ちょっと立ち止まって考えてみてはどうだろう。忙しく毎日を過ごしている我々にとって、前半の写真の部だけ見ても、今までとはちょっと違った角度から墓石を感じ取れるに違いない。墓石を商品として値踏みしてしまいがちな我々であるが、「石と死者」をテーマに真正面から取り組んだ本書にぜひ触れてほしい。墓石を商売とする業界人の必読書である。

本のデータ
書籍名 / 石と死者(1984年)
著 者 / 佐藤宗太郎 著
体 裁 / A5版 238ページ 価格 1,600円
発行所 / すずき出版(文京区本駒込) TEL 03-3945-6611



 石の本リスト
 晴彫雨読 No.1-20
  No.1 石屋史の旅
  No.2 中世 祈りの造形
  No.3 石橋は生きている
  No.4 FUKUOKA STYLE VOL14
  No.5 山里に花ひらく高遠の石工
  No.6 石の博物誌
  No.7 闇の中の石
  No.8 京都名墓探訪
  No.9 石の匠 石都鑿の響
  No.10 ケルト・石の遺跡たち
  No.11 石の神秘力
  No.12 石と死者
  No.13 議事堂の石
  No.14 将軍・大名の墓
  No.15 牟礼・庵治の石工用具
  No.16 石の俗称辞典
  No.17 石垣普請
  No.18 不思議な石の話
  No.19 石ころの話
  No.20 石のはなし

 晴彫雨読 No.21-40
 晴彫雨読 No.41-60

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