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ホーム >> 石の本の紹介 >> 晴彫雨読 No.1-20 >> No.10 ケルト・石の遺跡たち アイルランドひとり旅
晴彫雨読No.10 ケルト・石の遺跡たち アイルランドひとり旅

 この連載もどうにかこうにか、10回を数えることができた。元来、気まぐれなわたしだが、「読んでるよ」という声がかりも時々あり、適度なプレッシャーを感じながら途切れなく続けることができている。石に関する本は美術・遺跡あるいは考古学関係まで含めると範囲もひろく、種類も数も膨大にある。そのなかで石材関係にたずさわる皆さんに有益で興味が持てそうなものをよりすぐってご紹介を続けていきたい。

 さて、今回は「ケルト・石の遺跡たち アイルランドひとり旅」(堀淳一著)のご紹介。すこし前に、エンヤというアイルランド出身のミュージッシャンが幻想的なサウンドで世界的なヒットを出し一躍有名になったが、独特のケルト模様が日本の縄文時代の模様との共通性が指摘されたりして、最近ケルト文化が注目され始めている。

 アイルランドの石の遺跡は不思議なものが多い。ストーンサークルやさまざまな絵入り立石や巨石、ドルメン、石の砦など、ケルト人が侵入する以前の遺跡から、時代が下がって石作りの礼拝跡や教会、独特な石の十字架などおびただしい石づくりの遺跡が大部分が野ざらしで存在する。

 この本は、アイルランドに詳しい著者が、所在位置に関する情報も乏しいそれらの石の遺跡の数々を、たずね歩きながら探し当てていく様子を紀行文としてまとめたものである。地図の楽しみを多数の書物を通じて紹介を続けている著者らしく、遺跡の位置を示す手描きの地図が本書を味のあるものにしている。アイルランドの風景やその地域に生活する人々とのやり取りを軽妙な描写で書きあらわし、石の遺跡につきまとう堅いイメージを消して、身直なものにしている。著者が苦労してたずね歩いた甲斐もあり、筆者が初めて知るケルトの石の遺跡やケルト人の情念を感じさせる不思議な石の遺跡の写真も多く掲載してある。

 今回のご紹介は石材業者の直接的な利益にあまりなじまないかも知れない。しかし、この本で紹介されている石の遺跡の数々は、人間と石との関わりの原点を示しているように思える。石よりも優れたさまざまな新しい素材が開発されている現代においてもなぜ石がすたれずに使われているのだろうか。人知をこえた時間と質量を凝縮した石のエネルギーは、現代人のこころにも通じあうものがあるかもしれない。

本のデータ
書籍名 / ケルト・石の遺跡たち アイルランドひとり旅
著 者 / 堀 淳一
体 裁 / A5 263ページ 価格 3300円
発行所 / 筑摩書房 TEL 048-651-0053



 石の本リスト
 晴彫雨読 No.1-20
  No.1 石屋史の旅
  No.2 中世 祈りの造形
  No.3 石橋は生きている
  No.4 FUKUOKA STYLE VOL14
  No.5 山里に花ひらく高遠の石工
  No.6 石の博物誌
  No.7 闇の中の石
  No.8 京都名墓探訪
  No.9 石の匠 石都鑿の響
  No.10 ケルト・石の遺跡たち
  No.11 石の神秘力
  No.12 石と死者
  No.13 議事堂の石
  No.14 将軍・大名の墓
  No.15 牟礼・庵治の石工用具
  No.16 石の俗称辞典
  No.17 石垣普請
  No.18 不思議な石の話
  No.19 石ころの話
  No.20 石のはなし

 晴彫雨読 No.21-40
 晴彫雨読 No.41-60

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