山田石材計画 home ホーム sitemap サイトマップ legal 当サイトご利用にあたって
ホーム ストーンスケープ 山と石の風景 石の本の紹介 会社案内  お問い合わせ | リンク | ニュース
ホーム >> 石の本の紹介 >> 晴彫雨読 No.1-20 >> No.9 石の匠石都鑿の響
晴彫雨読No.9 石の匠石都鑿の響

 この業界も最近は中国製品が幅を利かせており、国内の加工産地は大打撃を受けている。ましてや匠のワザを競い合った石職人の世界は空前のともしびである。百年、千年単位で培われてきた石材加工の様々な職人技はホンの10年も経過しない中国製品の大量流入によって、ことごとく消えようとしている。

 今回のご紹介は、石都「岡崎」を標榜し、日本の石材三大産地としても知られる愛知県岡崎市で長年、石材加工に携わり、石工職人だった著者による「石の匠 石都《岡崎》鑿の響」(塚本 嘉一著)。著者は石職人として鑿を振るう傍ら、あるいは現役を退いても文献の収集や現地見聞をとおして、石に関する調査研究を積み重ね、この書以外にも何冊も書き著わしているというから敬服に値する。

 内容的には例えば、加工技術面では石の縦目、横目の判別方法や、堅い石を軟らかくして削り上げる技法、逆に軟らかい石の角を堅くして削り上げる技法など石職人の奥義の数々が紹介されている。また、当時使用された様々な道具類やそれぞれの使い方、手仕事の作業手順、作業方法がイラスト入りで示してあったり、道具の使い方なども分かりやすく記されていて大変「ため」になる内容となっている。

 さらに石屋の小僧の生活や職人の暮らしぶりについても触れており、昭和初期の岡崎を取り巻く世情や戦後の石材業界として発展する様などが、職人としての著者の率直な目を通して記述してあり、興味深く読むことができる。次世代から次世代へと綿々と受け継がれてきたこれらの技術、技法は人から人へと職人の世界に生きる人たち同士が多くの時間を共有し、体を通じて受け継がれてきたものであり、書物に著わせない事柄のほうが多いに違いない。

 石工職人の脈々とした技術を受け継いできた著者の静かな「魂の叫び」を感じさせる好書である。石材加工品が商品となり、売り込みにやっきにならざるを得ないこの時代に、せめて書物の中だけでも石屋の世界を触れておきたいものである。

本のデータ
書籍名 / 「石の匠 石都《岡崎》鑿の響 1998年
著 者 / 塚本 嘉一
体 裁 / A5 181ページ 価格 1600円
発行所 / MBC21 TEL03-3237-7170
発売所 / 東京経済



 石の本リスト
 晴彫雨読 No.1-20
  No.1 石屋史の旅
  No.2 中世 祈りの造形
  No.3 石橋は生きている
  No.4 FUKUOKA STYLE VOL14
  No.5 山里に花ひらく高遠の石工
  No.6 石の博物誌
  No.7 闇の中の石
  No.8 京都名墓探訪
  No.9 石の匠 石都鑿の響
  No.10 ケルト・石の遺跡たち
  No.11 石の神秘力
  No.12 石と死者
  No.13 議事堂の石
  No.14 将軍・大名の墓
  No.15 牟礼・庵治の石工用具
  No.16 石の俗称辞典
  No.17 石垣普請
  No.18 不思議な石の話
  No.19 石ころの話
  No.20 石のはなし

 晴彫雨読 No.21-40
 晴彫雨読 No.41-60

 石の本の紹介トップへ




山田石材計画(株) Copyright(C) Yamada Sekizai Keikaku All Rigths Resered.