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晴彫雨読No.3 石橋は生きている

 ローマ人の偉業の一つにアーチ式の石橋建設が挙げられる.「すべての道はローマに通ず」の言葉は,人々の行く手をさえぎる川や谷を克服する高度な橋梁建設の技術があって成立する訳である.この技術を可能にしたのは,天然セメントの発見,セメントを用いた水面下のコンクリート基礎の開発,そして円形石工アーチの開発であると言われている. スペインに残っているトラヤヌス帝の時代に建設されたタホ橋などは30メートル幅のアーチで川の上52メートル高さを走る道路を2000年以上支えていると言う.この話を聞いただけでもローマ人の帝国建設に対する凄まじい執念も然ることながら,当時の精緻な石工技術には驚くものがある.中世になると筋かい式の尖塔アーチが流行り,橋の上に教会や商店,料金所,税関などが設けられて,祭りや競技などの会場に用いられたりする橋も出現している.

 日本では,肥後の石工による石橋が多く残っている.九州は台風の通り道のため,木橋ではすぐに壊されてしまうといった事情も重なって普及して行くわけであるが,難しい地形やさまざまな悪条件の中,石橋づくりに費やされた石工の苦労は並大抵ではなかったようである.

 その日本ではまれな石造文化である石橋を,石工の伝統・歴史・系譜・現代の土木技術との比較などあらゆる面から解剖し,今なお人々の暮らしと共にある石橋の世界を丹念に探っているのが「石橋は生きている」(山口祐造著)である.

 著者は35年間にわたり全国の石橋を調査し「日本の石橋を守る会」を結成.諌早市に「石橋伝承館」をつくり,石橋の保存,技術の普及にも努めている.巻末の資料として,全国1,350もの県別石橋一覧表は資料価値としても高く,著者の石橋に懸ける意気込みが感じられる.

 なお,この著書でも詳しく紹介され,わが国の石橋文化の創始者とも言える「岩永三五郎」の物語りは講談社文庫から「肥後の石工」(今西祐行著\340)として出版されている.こちらは石工の技術に人生をかけた職人の執念を描いている.どちらも石屋の志を大切にした方にとっては,見逃してはいけない本と言ってよい.

本のデータ
書籍名・著者 「石橋は生きている」(山口祐造)
発行所・価格 葦書房(福岡市) \2,400
体裁・発行年 B5 409ページ 1992年



 石の本リスト
 晴彫雨読 No.1-20
  No.1 石屋史の旅
  No.2 中世 祈りの造形
  No.3 石橋は生きている
  No.4 FUKUOKA STYLE VOL14
  No.5 山里に花ひらく高遠の石工
  No.6 石の博物誌
  No.7 闇の中の石
  No.8 京都名墓探訪
  No.9 石の匠 石都鑿の響
  No.10 ケルト・石の遺跡たち
  No.11 石の神秘力
  No.12 石と死者
  No.13 議事堂の石
  No.14 将軍・大名の墓
  No.15 牟礼・庵治の石工用具
  No.16 石の俗称辞典
  No.17 石垣普請
  No.18 不思議な石の話
  No.19 石ころの話
  No.20 石のはなし

 晴彫雨読 No.21-40
 晴彫雨読 No.41-60

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